自分の住んでいるアパートの階段が
ある日、突然崩落して死亡…。
そんな事故が起きてしまった。
『東京・八王子で発生したアパート階段崩落死亡事故の
施工会社、則武地所が破産』
手抜き工事が他人事と思ったら大間違い。
この則武地所が手掛けた物件は、
東京・神奈川を中心に200程あるらしい。
こうした手抜き工事物件は、
我々の身近なところに実にたくさんある。
私が不動産購入に慎重なのは
これがいちばんの理由。
私が実際に目撃した事例を紹介する。
1.マンション修繕の手抜き工事
不動産管理業の私は多くのマンションの
大規模修繕を目撃してきた。
大規模修繕とは、
マンションは竣工後約12年~15年に一度、
外装を中心に手直しをするのだ。
別に法律で義務付けられている訳ではないが、
これをしないと外観が悪化し、
不動産価値が下落すると言われる。
どこからどこまで手直しするかによるが、
ファミリーマンション50戸程度の物件だと、
1億円程度の金額になることもあるので、
これに群がる施工業者がわんさといる。
工事内容を持主に公開する業者もあるが、
素人が見たところで判断できない。
要するにやりたい放題ができるのだ。
私が担当した小規模マンションなどは、
2回目の大規模修繕の際に、
外壁を確認したころ、
前回の大規模修繕で、
本来、外壁に使ってはならない工材を
使っていたことが発覚した。
もちろん訴訟に発展する事例だが、
前回の工事業者は既に倒産済にて
何もできなかった。
2.新築戸建てに廃材を用いていたケース
これには正直、ぶったまげた。
もう15年ほど前の話だ。
私は自宅付近をウォーキングしている。
おおまかなルートは決まっているが、
思い付きで道の小道を通ったとき、
建築中の一軒家があったのだが、
柱に用いられている木材の一部が
どこからどう見ても廃材なのだ。
長年の風雨にさらされて黒ずみ、
大きな割れ目の入った木材が
一軒家の柱として何本も使われていた。
きっとどこかの家屋を取り壊した際の
廃材なのだろう。
気になって以後、数回、その家を見に行った。
すると半月もせぬうちにその廃材を隠すように
外壁が張り巡らされ、
1か月後には新築戸建てとして販売されていた。
確か5500万円だった。
今だったらそれなりの行動をしていただろうが、
その時私はまだ不動産業界の人間でなかった。
幸か不幸か、その家屋はいまでも
何事もなく存在している。
3.竣工当初から冠水する欠陥マンション
もう5年ほど前に、
明日大型台風が来るということで、
同僚が担当しているマンションに
数人が呼び集められた。
私もその一人だった。
何をするのかというと、
竣工2年目というそのマンションの周囲を
多くの土嚢で囲ったのである。
何故ならば、そのマンションは
地面より低い位置にエントランスがあって、
坂の上から流れてくる雨水が
大量になるとエントランスが冠水するのだ。
過去何度もあったとのこと。
その時の台風はとりわけ強力だったことで、
我々の努力はむなしくその夜冠水した。
それどころかエレベータまで雨水が侵入し、
運航停止へ。
幸いに5階建てだったから階段でも
さほど不便はなかったが。
工事をしたN建設は創業300年もの大手。
しかし一向に自分の施工不良を認めず、
3年目にして漸く修繕工事を行った。
4.手抜き工事を見抜く方法
残念だが、初見で手抜きを素人が見付ける
ことは困難だ。
業者は巧妙に手抜き個所を隠ぺいしている。
しかし方法が無いわけではない。
その方法がホームインスペクションだ。
ホームインスペクション(住宅診断)とは、
住宅や設計に精通した診断士が、
第三者的な立場から、購入予定の住宅を
チェックしてくれるサービス。
もちろん様々な相談にも応じてくれる。
費用は物件によるが5~10万円程度。
ネットで「ホームインスペクション」と
検索すると、サービスをしている会社が
たくさんヒットする。
費用が10万円かかったとしても、
物件購入に数千万円、数億円を払うことを
考えると、大した金額ではない。
ぜひお勧めする。
5.手抜き工事への最も有効な対策とは
ズバリ、不動産を買わないことだ。
2021年の出生者は80万人どころか、
70万人程度の可能性が出ている。
人口が急速に減るのだから
不動産の価値は当然下落する。
そんな市場に数千万円も投下するのは
博打行為ではないのか。
高級マンションに住みたければ
賃貸で良いと思うのだが。
「土地神話」はとっくに終わっている。
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