若者諸君はスペインと聞いて
まずは何を連想するだろうか。
スペイン料理、フラメンコ、ガウディ、
ピカソ、ダリ…こんなところか。
若者ならば一度は旅したい国だろう。
さてそのスペイン、ずいぶん前から
国内の一部が独立運動を起こしているのだ。
そしてその動きが近年、中央政府も無視
できないくらい強力になっている。
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1．複雑な歴史のスペイン
まず質問。
スペインの首都はどこ？
答えはマドリード。
バルセロナと思った若者もいるだろう。
バルセロナは観光地として世界的に有名。
なんといってもガウディの
「サグラダファミリア」が超有名。
そしてスペインからの独立運動をしているのが、
バルセロナを州都とするカタルーニャ地方だ。
何故か。
スペインの国土は日本の1.3倍と
欧州ではフランスに次いで広い。
そして様々な民族がおり、話す言語も違う。
首都マドリードに住む人たちとは
生活習慣が相当に異なるようだ。
なんといってもスペインは8世紀から700年間、
イスラム勢力に支配されていた。
そんな中、カタルーニャ地方で君主国が
誕生したが、
実はこの国、現在のスペイン中心部ではなく、
南イタリアと連合を組んでいたのだ。
まあ結局、それじゃマズイだろうということで、
スペイン内陸部のカスティーラ王国と合併して
1479年、現在のスペインとなった。
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2．カタルーニャ地方の不満
↑にも書いたように、多くの日本人は
スペインと言えばバルセロナを連想するだろう。
実際にカタルーニャ地方はスペイン全体の
GDPの20％を稼ぎ出す国内トップの州だ。
観光はもとより製造業も金融業も盛んだ。
それなのに、政治や行政の権益が
すべてマドリードに奪われている。
このことにカタルーニャ州の人たちは不満なのだ。
だからスペインから独立したいと思う。
しかしスペイン政府はこれを容認できない。
そりゃそうだ、国内トップの稼ぎ頭の州が
出てゆくというのだから。
必死に独立運動を弾圧した。
実際に、2017年には独立運動が過激化し、
州首相が亡命する騒ぎまで起きた。
3．今後、どうなるスペイン
カタルーニャ州が独立するかどうか、
そんなこと、遠く離れた日本から予想
することは困難だ。
しかしここ数年、ますます独立運動が
過熱しているところをみると
案外、独立を果たすようにも思える。
実を言うとスペインには
もう一つ強力な独立候補があるのだ。
フランス国境のピレネー山脈付近に住む
バスク民族である。
この民族は一部フランスにも分布している。
彼らも独立運動を展開しいる。
困ったことにカタルーニャほどではないが、
かなりのGDPを稼ぎ出しているのだ。
若者諸君は”PIIGS”なる言葉をご存じだろうか。
20年ほど前に”BRICS”が流行ったと言えば
ヒントになるかも。
答えは↓
「PIIGSとは、ユーロ圏で財政状況がとりわけ厳しい
ポルトガル(Portugal)、
アイルランド(Ireland)、
イタリア(Italy)、
ギリシャ(Greece)、
スペイン(Spain)の5カ国の略称で、
それぞれの国名の頭文字を取っている」
（「知恵蔵」より抜粋）
スペインはタダでさえジリ貧経済なのだ。
なのに主力の州であるカタルーニャとバスクに
出てゆかれたら「お終い」である。
よってカタルーニャの独立には
相当高いハードルがあるはずだ。
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4．他にもある意外な独立予備軍
国の一部が独立運動を展開してる国って、
発展途上国とか、ロシアや中国のような
反民主・強権弾圧政治の国だけじゃないの…
と思ったら大間違い。
先進7か国にもある。
・イギリスでは2014年にスコットランドが
独立一歩手前までいった。
・カナダでも、フランス人系のケベック州が
活発な独立運動を展開している。
日本でも、沖縄県人は琉球王国の復活を
願っているようだ。
アイヌ民族には今でも大和民族と一緒にするな
という人もいるのだそうだ。
外国人と接する機会が多い若者は
こういうセンシティブな情報を常に
磨いておくことをお勧めする。
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